正直リッチはバンパイヤ同様、不死身と聞くし、生半可な攻撃は意味をなさないであろう。
しかも今はブラッド青年の体を乗っ取っている状態。
ブラッド青年の体を傷つけずに追っ払う方法なんて魔法に疎い私には思いつかないのだ。
「ふ、ではいくぞ!」
リッチー=アガンドラは私から距離を取り離れ、自慢の高速詠唱を始める。
が、ここまでは私の予想通り。
というのもこちらには何も攻撃が無いこの時間を有効活用するしかないのだ。
『長っ! で、どうするの?』
てなわけで小声で長と会話し、手っ取り早く知恵を借りることにした。
餅は餅屋、魔導は魔導に詳しい相手を、不死者には不死者をってことです、はい……。
『まずは情報を教えよう。リッチー=アガンドラは常に魔法防御の壁を張っていてな。多少の攻撃じゃイハールの体には傷1つつかない』
『なるほど、早い話、まずは「魔法防御に回している魔力を削れ」と』『そうだ。そして来たるべき段階が来たら、レイシャの体を一時的に私が借り、リッチー=アガンドラの魂をイハールの体から追い出す』
(なるほど、段階事に私と長で分業をし、リッチー=アガンドラを倒すという事ね……)
『分ったわ……。で、どうやって?』
『攻撃は最大の防御だ。開幕からレイシャの出来る全開をだせ!』『承知っ!』
私は1人静かに頷く。
『すまんなレイシャ、お前達を巻き込んでしまって……』
『え? あ、まあ私も№2としてのケジメがあるしね。そんなことより、今はこいつを倒すことに集中して頂戴……』『すまんな、でこのタイミングで申し訳ないのだが実はずっと話そびれていたことがあってな』
『え? 今そんな話している場合じゃないでしょ? 戦闘中よ長っ?』『この戦闘に関係する話なのだよ……』
『そう、手早くね&hellip